【Docレビュー】OUR FATHER / 我々の父親 (2022):信仰って何・・・

1. Story/ お話

アメリカインディアナ州。
DNA検査を受けると、人工授精で生まれた自分には複数の兄弟がいることが発覚。
しかも兄弟たちを繋げる「生物的父親」はなんと母親たちの主治医。
主治医が患者に嘘をつき、ドナー基準を満たしていない自身が
患者の承諾なしに、ドナーとなっていた事実が明らかに。
子供たちはこの医師に対し裁判を起こすも、
法律がないため、医師に十分な刑を与えることができなかった。

2. Review/ 感想

Our FatherのFatherの意味、「父」だけじゃない気がする。
クライン医師はカルトの考えを信じていて、
その教えに従い、実現することで
みんなの父である「神」になれると思ってたことを
皮肉ってるのでは??
信仰は個人の自由だけれど、
他人、ましてや自分を頼りにやってくる患者を使うとは、
信じがたく、ただただ腹立たしい。

このドキュメンタリーは当事者である子供がメインだったけれど、
その母親たちも出演していた。
けれど、父親たちは出演していなかった。
特に、自分の精子を提供したのにそれを使用せず、
クレインは自分の物を勝手に使っていたって・・・!訴えたい・・!
・・・でもそのことに対して裁判を起こしたら、
今まで大事に育ててきた子供の存在を否定することになるから
ノーコメントなのかな。
当事者でない自分にはとても踏み込めない内容だ。

結局、このドキュメンタリー制作時点で、
クレイン氏をバイオロジカル父として持つ人は94人いるということは、
それだけ子供を持つことができない「父親」がいるという事実。
「子供ができない」っていうと、潜在的に子供を産む女性に
問題があるよう思われている世の中だけれど、違うということに再認識。
男性は話さないからかな。これもトキシックマスキュリニティか?
下記記事によると不妊の原因は男女半々のよう。

すごくセンシティブで衝撃的なドキュメンタリーだった。
今、中絶の権利の法改正に注目が高まるアメリカ。
中絶反対支持者にとってこのドキュメンタリーはどの様に映るんだろう。

見応えのあるドキュメンタリーだった。

すごく複雑で、「自分が当事者だったら」と考え出すと止まらない。

3. Date/ 観賞日

2022年5月 Netflixにて

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