1. Story/ お話
オハイオ州クリーブランドで起きた警察による発砲事件。
亡くなった黒人男性と女性は銃を持っていなかったにも関わらず、
大掛かりな警察によるカーチェイスのもと、
合計137発の銃弾を受けて亡くなった。
果たして警察のこの行動は正しかったのか、
当事者らの裁判の様子を含むドキュメンタリー。
2. Review/ 感想
アメリカの副大統領カマラハリスは検察官出身。
彼女は大統領選の時、黒人だが、黒人の票が集まりにくい理由として
彼女は検察官出身であることが挙げられていた。
検察官は警察の味方で、
アフリカンアメリカンに不当な暴力を行っている組織。
完全には理解できなかったけれど、
このドキュメンタリーでその理由について
少し理解が深まったような気がする。
「相手が銃を持っていたなら危険と考え、
ボンネットに乗るなんてしないはずだ」
確かに、その通りだ。
そんなに銃を連射する必要があったとは思えない。
ボンネットの上から15/49発。
ブレロがこの事件で発射した弾丸の数は49/137発。
この事件全てがタイトルの通り137発、
そのうちの約1/3がブレロの打った数。
ブレロの子供が大人になった時、
当時警察官だった父親は武器を持たない男性と女性に
49発も銃を打ったと知ったら、どう思うんだろう。
明白な証拠が残る、
この素晴らしいドキュメンタリーを見たら、どう思うんだろう。
このドキュメンタリーでコメントがあったように、
ゆっくりとは言え、世の中はよくなってきている。
父親の行為が犯罪行為だったことが、
考えずに分かる日がいつか来るのではないかと、期待する。
カメラが街の至る所にあって、
証拠が集まりやすい時代になったにも関わらず、
正義が下されないなんて、組織や権力の力の大きさを思い知らされる。
最近いろいろなSFドラマで未知の生命体と戦うけれど、
人間こそが人間にとって最大の敵だ、と改めて感じた。
人間こそ、モンスターだ。
鑑賞後に正義の下されない、やりきれない気持ちを
誰かとシェアしたくなるドキュメンタリー。
見応えあり!
3. Date/ 観賞日
2022年8月 Netflixにて英語字幕で