【映画レビュー】Passing / PASSING 白い黒人 (2021):「カラリズム」について学ぶ。

1. Story/ お話

モノクロ映画。
時代は1920年代。
主人公イレーネとその友人クレアは黒人だが、
白人と言っても疑われないほど、肌の色が明るい。

イレーネは黒人の夫と結婚したが、
クレアは自身を白人と偽り、白人の夫(人種差別者)と結婚していた。
イレーネらは仲良くなり、黒人だけのパーティーを楽しんでいたところ、
突然クレアの白人の夫がパーティに現れ、クレアの嘘がバレそうになったところで
クレアが窓から落ちて亡くなってしまい、物語は終わる。
自殺か、事故かは言及なし。

2. Review/ 感想

アメリカの人種問題。
黒人の中で、さらに肌の色の濃さによる違い 「Colorism/ カラリズム)」を扱った話。

そして特徴は白黒映画
「確かにこの人は白人に見える」なんていう、
外見に着目した意見が欲しくないから、
白黒にしたのかな、と思った。
もっと内面に注目してほしい、かな、と。

正直なところ、共感できる部分はなく、
「うーん、なるほど」が素直な感想。
自分を偽るってどんな気持ちなんだろう。
自己否定してる感覚と似ているのかな・・・。

クレアはイレーネとの再会を喜び、楽しんでいたけれど、
イレーネは終始混乱気味だった。
特に夫がクレアと意気投合した姿に
ジェラシーを抱いていた様子を見て思い出したドラマが、
セルフメイドウーマン〜マダムCJウォーカーの場合〜」。

ヘアケア商品を売る主人公マダムCJウォーカーのライバルは、
同じくヘアケア商品を売る、肌の明るい黒人女性アディー。
アディーは肌が明るいことから、注目を得やすく、主人公は劣等感を持っていた。

イレーネよりクレアの方が肌の色がより明るかったのかな?
だからイレーネはクレアに対して警戒心があったのかな?

ちなみに、そのライバルの彼女は母親が白人の雇い主にレイプされて生まれた。
そのため肌が明るいという、暗いバックグラウンドを持つ。
本作のクレアとイレーンもそうなのかな、と思ったり。。。

そしてカラリズムと言えば、俳優のゼンデイヤ
彼女の父親は黒人、母親は白人で、彼女は比較的肌の色が明るい。
そのため仕事が得やすいらしい。
ゼンデイヤと同じく子役でキャリアをスタートさせたキキパルマー。
彼女は肌が暗めであり、ハリウッドのカラリズムの
比較の対象になり話題になった。


確かに、ゼンデイヤは有名な作品に多く出ているけれど、
キキパルマーは存じ上げない。
(この話題はキキが声を挙げたわけではなかったので、
本人はカラリズムの比較対象に挙げられたことは不満だったよう。)

ゼンデイヤは自分が優遇されていることを自覚しており、
カラリズムを問題視している様子。

自分を偽るってどんな気持ちなんだろう、と
共感は難しい話だが、
新たに「カラリズム」について学ぶことができた映画だった。

3. Recommendation/ おすすめ

  • 【ドラマ】セルフメイドウーマン〜マダムCJウォーカーの場合〜」(2020)

ヘアケア商品を売る、黒人のマダムCJウォーカーが主人公。
カラリズム、貧困、暴力、裏切り、あらゆるドラマの詰まった
リミテッドシリーズ。1900年代初頭の話。

4. Date/ 観賞日

2022年8月 Netflixにて

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