1. Story/ お話
アフリカ系アメリカ人のトランスジェンダー(MtF*)の
高校生の主人公、ケルサ(俳優もトランス)。
彼女はアラブ系アメリカ人のカルという青年と恋に落ち、
付き合うことになる。
トランスジェンダーであることから、
色々困難は多いが前向きなケルサの話。
*Male to Female: 男性から女性へ性転換。
2. Review/ 感想
すごくドラマチックで大袈裟な展開が多いけれど、
性転換済みのトランスジェンダーが主人公で
考えさせられることがあったので最後まで見ることができた。
アメリカのGen Z世代(1997-2003)の5人に1人は
LGBTQだと自己認識していると言われており、
Gen Zに向けた映画。
印象に残ったことは2つ。
「Woke point(日本語字幕は「意識高い」)」
カルがトランスのケルサと付き合うのは、
トランスに理解がありますよってポイント「Woke point」を稼ぐためだって言われるシーンがあった。
ただでさえ、人の気持ちって分からないのに、
この言葉を間に受けてしまったら
メンタルヘルスに大きな支障をきたすだろうな・・・。
ケルサ、女子トイレ使用禁止
ケルサは友人エムがカルと付き合いたかったことを
知っていたのに、カルと付き合うことにしたので、2人は絶交。
ケルサと喧嘩中にアクシデントで怪我をしたエムは
トランスであるケルサが危険だでも言うように主張し、
ケルサの女子ロッカーと女子トイレの使用を
学校に禁止させてしまった。
このシーンを見て、アニメ「サウスパーク」でも
トランスの生徒のためのトイレを学校が作るエピソードがあったことを思い出した。
皮肉が効きつつ、興味深かったので
気になったら見てみてほしい。(S18 Ep3)
(2022年9月現在、Netflixからいつの間にかなくなっちゃったけど。)
また、日本の経済産業省で働くトランス(MtF)の人のトイレ使用に関する裁判があったことは記憶に新しい。
世の中には男女共有トイレが存在するから、
その考えが進めばいいのかもしれないけれど、
男女別なのにも関わらず、盗撮事件は絶えない。
多目的トイレはどこにでもあるわけではない。
これは今後も注目していきたいトピック。
高校生の恋愛と親友との仲違いという典型的なティーン映画に
トランスジェンダーであることの気持ちや、
関連した問題が話に組み込まれていて見応えはあったと思う。
↓ケルサとカルのデートしていた素敵な植物園。
3. Word/ 単語
Law of averages
日本語字幕だと「ルール違反」。
ケルサがこのフレーズを言うと母親を黙らせることができる。
下記記事によると、
「母親は、一般的に母親が娘に聞かないことを
トランスであるケルサに聞いてはいけない」と言うルールがあり、
ケルサはトランスジェンダーのケルサではなく、
ただのケルサとして扱ってほしい、ということ。
4. Date/ 観賞日
2022年9月10日 アマゾンプライムにて英語字幕で
We can’t wait to see Billy Porter’s directorial debut! “Anything’s Possible,” streaming July 22nd on Amazon Prime. pic.twitter.com/o40ptgwYpj
— E! News (@enews) June 4, 2022