【映画レビュー】Anything’s Possible / エニシングイズポッシブル (2022):トイレ使用問題には今後も注目したい。

1. Story/ お話

アフリカ系アメリカ人のトランスジェンダー(MtF*)の
高校生の主人公、ケルサ(俳優もトランス)。
彼女はアラブ系アメリカ人のカルという青年と恋に落ち、
付き合うことになる。
トランスジェンダーであることから、
色々困難は多いが前向きなケルサの話。

*Male to Female: 男性から女性へ性転換。

2. Review/ 感想

すごくドラマチックで大袈裟な展開が多いけれど、
性転換済みのトランスジェンダーが主人公で
考えさせられることがあったので最後まで見ることができた。

アメリカのGen Z世代(1997-2003)の5人に1人は
LGBTQだと自己認識していると言われており、
Gen Zに向けた映画。

印象に残ったことは2つ。

「Woke point(日本語字幕は「意識高い」)」

カルがトランスのケルサと付き合うのは、
トランスに理解がありますよってポイント「Woke point」を稼ぐためだって言われるシーンがあった。
ただでさえ、人の気持ちって分からないのに、
この言葉を間に受けてしまったら
メンタルヘルスに大きな支障をきたすだろうな・・・。

ケルサ、女子トイレ使用禁止

ケルサは友人エムがカルと付き合いたかったことを
知っていたのに、カルと付き合うことにしたので、2人は絶交。
ケルサと喧嘩中にアクシデントで怪我をしたエムは
トランスであるケルサが危険だでも言うように主張し、
ケルサの女子ロッカーと女子トイレの使用を
学校に禁止させてしまった。

このシーンを見て、アニメ「サウスパーク」でも
トランスの生徒のためのトイレを学校が作るエピソードがあったことを思い出した。
皮肉が効きつつ、興味深かったので
気になったら見てみてほしい。(S18 Ep3)
(2022年9月現在、Netflixからいつの間にかなくなっちゃったけど。)

また、日本の経済産業省で働くトランス(MtF)の人のトイレ使用に関する裁判があったことは記憶に新しい。

世の中には男女共有トイレが存在するから、
その考えが進めばいいのかもしれないけれど、
男女別なのにも関わらず、盗撮事件は絶えない。
多目的トイレはどこにでもあるわけではない。
これは今後も注目していきたいトピック。

高校生の恋愛と親友との仲違いという典型的なティーン映画に

トランスジェンダーであることの気持ちや、

関連した問題が話に組み込まれていて見応えはあったと思う。

↓ケルサとカルのデートしていた素敵な植物園。

3. Word/ 単語

Law of averages

日本語字幕だと「ルール違反」。
ケルサがこのフレーズを言うと母親を黙らせることができる。

下記記事によると、
「母親は、一般的に母親が娘に聞かないことを
トランスであるケルサに聞いてはいけない」と言うルールがあり、
ケルサはトランスジェンダーのケルサではなく、
ただのケルサとして扱ってほしい、ということ。

4. Date/ 観賞日

2022年9月10日 アマゾンプライムにて英語字幕で

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