【リアリティーショーレビュー】Deaf U / ろう者のキャンパスライフ (2020):「エリート」について詳しく解説。

アメリカにはろう者(Deaf people)のための
大学があるなんてさすがだな、と思いつつ、
この大学がどんな大学なのか
作品の登場する「エリート」という単語の定義など
鑑賞後に調べて分かったことを詳しく紹介!

2週間無料トライアル

1. Story/ あらすじ

アメリカ、ワシントンDCにある
耳の聞こえない人(ろう者)のための
ギャローデット大学に
通う学生らの生活を追った
リアリティーショー。

約20分 x 8エピソード。

ASLで「愛している」で円を作っている。

31日間無料トライアル

2. Review/ 感想

このリアリティーショーの評価
おすすめ度👍
 (5)
新しい知識が増える😮
 (5)
おもしろさ😆
 (1)

2020年の作品で、興味深く、
新鮮な内容のリアリティーショーだった!

もっと早く見れば良かったと思う。

手話だけでなく話すシーンもあり。

タイトルに「ろう者」とあるので、
手話のみの番組かと思うが、
手話と共に話す人も登場するので
英語を聞くこともできる。

ギャローデット大学について。

ワシントンDCにある米国会議事堂。

さて、ギャローデット大学。
ワシントンDCにある
聴覚障がいのある人向けの私立大学


入学するにはASL(American Sign Language)
と呼ばれるアメリカ手話の試験が必要なようだ。
ちなみに手話は言葉同様、国によって異なる。


作品に登場する学生レナーテによると
学生数は女性が多いとのこと。

学生の男女比率

  • 女子学生:700人
  • 男子学生:300人

アカデミー賞受賞作品「コーダ」で
主人公の父親役を演じたトロイ・コッツァー
ギャローデット大学に通っていたが中退。

メリーランド州フレデリック。

長い世代に渡って家系にろう者がおり、
生まれた時からろう者の世界で育ってきた人を
「エリート」
と呼ぶ。
狭いであろう、ろう者の世界にすら、
階級社会みたいなものがあるなんて衝撃だった。

「エリート」とは?

  • 代々家系に聴覚障がい者がいる家庭で育つ。(4-5世代目以上)
  • 最初に習得した言語が手話(ASL)。
  • 子供の頃からろう学校に通う。


本ドキュメンタリーに登場する
“エリート”のアレクサとテッサは
メリーランド州のフレデリック出身
幼い頃から知り合いだったとの言及があった。


フレデリックには
メリーランドろう学校(Maryland School for the Deaf)が
あることからろう者が多く住むコミュニティとなったとのこと。
キンダーガーデンから高校まであるので
「エリート」らはもちろんそこに通うのだろう。

「エリート」ではないとは。

この作品のキーパーソン、シャイアナ
彼女は西海岸のワシントン州出身。

彼女は「エリート」ではない
ギャローデットの「エリート主義」に対する
不快感をインタビューで
語っていたことが印象強かった。

「エリートではないろう者」とは?

  • 遺伝で代々続く聴覚障がいを持つ家族ではない。
  • 健聴者のいる環境、家庭で育った。


“エリートではない”彼女は
どんな家庭で育ったのか気になり、
彼女のYouTubeチャンネルを見たところ、
彼女は耳が聞こえない家庭で育った
ということが分かった。


彼女の父親は幼い頃の高熱により
耳が聞こえなくなった。
つまり、父方の家族は健聴者。


一方、母親は生まれた時から耳が聞こえない。
母親の母、つまりシャイアナの祖母
健聴者の世界で過ごしてきた難聴者

おそらく祖母からの遺伝とのこと。

ということで、シャイアナは
家族で3世代目のろう者ということ。

他にも、彼女の妹(ろう者)が生まれた時、
大きく目を見開いている様子を見ただけで、
妹は耳が聞こえないと分かった、
とのエピソードが興味深かった。
耳の聞こえない赤ちゃんは
音から情報を得ることができないため、
視覚で目一杯情報を得ようとするらしい。

彼女の動画はASLと英語字幕しかないけれど、
勉強になる動画だったので、
興味がある人にはおすすめ。
他にもシリーズにも登場した、
「サインネーム」についての動画も面白かった。
また、父方の祖母(健聴者)との動画もいくつかあり、
健聴者のいる環境で育ち、
”エリート”らとは違う環境であることが感じられた。

ちなみに彼女はこの映画の最後で、
ギャローデット大学を中退。
現在もYouTuberとして活動しており、
子供も産まれお母さんになったようだ。

手話対応のスタバは大学の近く。

ギャローデット大学がワシントンDCにある、
ということで思い出したのが、
同じくワシントンDC
初の手話(ASL)対応のスターバックス
2018年にできたニュースを
過去に読んだことを思い出した。

改めてその記事を読んでみると、
ギャローデット大学の近くにある店舗で、
働いているスタッフはギャローデットの学生のようだ。

元々手話をする人が多く住むエリアだったのか、と納得。

ろう者コミュニティの中でエリート主義、
ちょっとした差別があることや、
サインネームなど、
知らない世界を知ることができて勉強になった。
短くてすぐ見終わるし、おすすめ!👍

3. Date/ 観賞完了日

2023-1-19 Netflixにて

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