2017年の「ゲットアウト」のこわさを彷彿させる映画だった。
ちなみにゲットアウトは肌の明るい黒人対濃い黒人ではなく、白人対黒人である点は少し違う。
この作品の元は実話ということが分かったので、それについてこの記事で紹介したい。
1. Story/ あらすじ
イギリスの白人コミュニティの郊外に白人の夫と2人の子供と住むニーヴ。
彼女は肌の色が明るい黒人。
毎日黒人特有のカーリーヘアを隠すためにウィッグを被り、話し方を周りの白人に合わせ生活していた。
そんな彼女には秘密の過去があった。
彼女の本名はシェリルで、黒人男性と結婚し、2人の子供がいたのだった。
子供をおいて夫の暴力から1人で逃げた過去があった。
長年疎遠となっていたその2人の子供がニーヴの元に突然現れ、ニーヴの現家族へ危害を加える。
その末にニーヴは1人でその場から逃げて作品は終了。
Perfect wife. Perfect li(f)e.
— Netflix (@netflix) January 26, 2023
Ashley Madekwe stars in The Strays, the debut feature of filmmaker Nathaniel Martello-White. Premiering February 22. pic.twitter.com/ytVSX9kGY7
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2. Review/ 感想
「怖い黒人」のイメージ払拭を逆行してる。
過去の映画は黒人が悪人の物語が多いことから、黒人への悪いイメージをハリウッドが植え付けていると言われていた。
それを覆すべく、最近は悪人は白人が演じる作品が多いと感じている。
しかしこの作品は、それに逆行する物語、配役だったので驚いた。
ホラー映画ということで怖いキャラクターが登場することが当たり前だが、それがこの映画では黒人兄妹。
しかも黒人兄妹が2組登場する中の、肌の色の濃い方の兄妹。
とにかくこの2人が暴力的で言葉で家族を追い詰めて、めちゃくちゃ怖い。
そして肌の色の濃い黒人兄弟に対し、怯える白人と明るい肌の色の黒人(ハーフ)たち。(と視聴者の私。)
「母親に捨てられ、貧乏で可哀想で奇行に走った恐ろしい黒人兄妹。」
こんなキャラクターを今の世に作り出していいの!?と思った。
元は実話。
この映画の監督はイギリス人のナサニエル・マーテロ・ホワイト。
彼は黒人のイギリス人。
この映画の話は彼が母親から聞いた実話が元になっているということ。
監督は最初、この作品の舞台をアメリカに変えることを持ちかけられたけれど、この物語はイギリスの黒人特有の階級社会が関わる話であるため、そのままイギリスを舞台に制作したとのこと。
同じ黒人でも、アフリカ系アメリカ人 (African Amerian)と黒人イギリス人(Black British)の人種問題の経験はやはり異なるそうだ。
ちなみにニーヴ(シェリル)を演じたのはアシュリー・マデクウェ。
彼女は父親がナイジェリア系イギリス人、母親がイギリス人。
南ロンドン、クロイドンで育ち、今回の役にピッタリだったとのこと。
サービスチャージを払わないのはアリ。
私が驚いたことは、映画の初盤でニーヴがカフェで「サービスチャージ」を支払わなかったこと。
イギリスではチップを払う必要がなくて、その理由は既にお会計時にサービスチャージことチップが含まれているから、と知り、”払わなければならないもの”と思っていた。
イギリス人の友人に聞いたところ、ニーヴの行為は可能とのこと。
例として、キャッシュでチップをテーブルに置いておくため、サービスチャージを払わない、などのこと。
もう一つは、イギリスのウェイターは日本同様、お給料が出ており、収入がチップ(サービスチャージ)頼みではないから、払わなくても彼らは問題ない、とのこと。
海外に行くといつも悩まされるチップ問題・・・。
うーん、でもやっぱり「サービスチャージなしで」と言う勇気はない・・・。
夢中になって最後まで鑑賞できたのでおすすめ!🙆🏻♀️
3. Date/ 観賞日
2023-3-18 Netflixにて