【映画レビュー】Kim Ji-young: Born 1982 / 82年生まれ、キムジヨン (2019):原作と違うところが気になる。

1. Story/ あらすじ

主人公のジヨンは好きだった仕事をやめ、子育て真っ最中。
自覚のないまま育児鬱になり、
時折、他人が憑依したような言動をするようになる。
そのため悔しくも再就職を諦め、治療に専念することに。
1年後、ジヨンはライターの仕事を始め、前向きに生きていく。

2. Review/ 感想

この映画の評価
おすすめ度👍
 (5)
考えさせられる🤔
 (5)
悔しくて泣ける😢
 (4)
面白くて笑える😄
 (0)

映画を見たら原作も読んで

原作の終わりは「現実」だけど、映画の終わりは「理想」だった。

映画を見た人は絶対に本も読んでほしい。
もっともっと知ってほしい現実がたくさんある。
悲しいことに、女性は必ず1つは共感できるポイントがあるはず。

本を読み終わって1番に素直に思ったことは、
ジヨンみたいな経験はしたくないから、子供は産みたくない。

映画はあくまでも理想を描いた結末であって、
まだ現実が理想に近づく気配などない。

まず、自分の中にある自覚のない差別と向き合うことから始めなくては。

映画と原作本の違うところ

「娘」を産むこと。

おばあちゃんのあからさまな弟ジソクひいき、
加えてジヨンの母親へもう一人男の子を産め、というハラスメント発言。
十分、衝撃的だったと思うけれど、
実は本ではもっと暗い過去があった。
実は母親は弟ジソクを産む前に、女の子を妊娠したけれど、
姑の圧に耐えられず、中絶したということ。
・・・本を読んでいて胸が潰れた。

それでも男性を庇う。

ジヨンがバスで男子学生に付きまとわれるシーン。
スカーフの女性の機転に助けられて
助けてくれる人がいることに安心したけれど、
原作にある、その女性による重要な言葉がカットされていて残念。
その女性はジヨンを慰めるために、
世の中には良い男の人の方が多いから」と言葉をかける。
どうして男性により怖い思いをさせられた直後であるにも関わらず、
男性の肩を持つ、男性を守る言葉をかけるのか。
そんな必要はない。
悪気がないことはわかっているが、その言葉は被害者を余計に傷つけるだけ。
この潜在的に染み付いている考えについて考え直したい。

ジヨンは何も悪くないのに、責める父親に対しては言うまでもない。
悪いのは100%加害者
コンユの女性ファンではなくて、
この世の父親たちに見てほしい映画だと思う。

夫(父親)の育児休暇。

映画の最後、言及はなかったものの、
育休をとったコンユ(デヒョン)が娘を保育園に迎えにいくシーンがあった。
これは原作になかった。
キムウニョン氏(ジヨンの姉)に100%同意で
北欧に行きたいよな〜〜。(スウェーデンは父親の育休取得9割

原作の終わりと精神科医。

原作のジヨンの精神科医は女性医師ではなく、男性。
原作は精神科医が産休に入る女性スタッフとの挨拶のあとの呟きで終わる。
後任は未婚の女性にしないと」。
ナイフでぶすっととどめを刺すこの終わり方。
これが現実だ。

この本を読んで以来、私のおすすめの本ナンバーワン。🙆‍♀️
映画で良いから、女性管理職15%未満で、少子化の日本に住む
一人でも多くの人に見てもらいたい。

3. Date/ 観賞日

2020-11-1 映画館にて

2022-11-14 アマゾンプライムにて(2回目だけど泣いた。)


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